いのちのふね

小林嵩史 / かりん舎

死というものは、生きてゆくために必要不可欠なものです。命をいただく。そこに可哀想とか、酷いなんてありません。生きるためです。何かを得るには、何かを犠牲にしなければいけません。ですが最も重要なのは、その得たものから何を犠牲にして、何を産むのかということ…。光や水から森が育ち、森に、生き物が住まいを借りるように、また亡骸は土に還り、再生するように、個々が織り成す自己犠牲と大いなるシステム──これこそが

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